Kimchiとは
Kimchiは仮想マシンの管理をWebGUIで行うことのできる、wokのプラグインです。同じようなものとしては、WebVirtMgrやoVirtがありますが、今回はインストールイメージをネットから直接ダウンロードできたり、操作がしやすそうだったりしたのでKimchiを導入することにしました。
動作環境
KVMを始めとする仮想化環境が構築されている必要があります。インストールしていない場合はLinuxサーバーを再構築した。その5(KVM設定編) を参考にしてインストールしてください。
Kimchiをインストールする
Debian9の場合、CentOSやUbuntu Serverに比べ、パッケージの依存性の問題で手順が煩雑になっています。
パッケージをダウンロードする
公式から必要なパッケージをダウンロードします。
$ wget https://github.com/kimchi-project/kimchi/releases/download/2.5.0/wok-2.5.0-0.noarch.deb $ wget http://kimchi-project.github.io/gingerbase/downloads/latest/ginger-base.noarch.deb $ wget https://github.com/kimchi-project/kimchi/releases/download/2.5.0/kimchi-2.5.0-0.noarch.deb
この記事を書いている時点では2.5.0が最新版ですが、各自の状況に合わせて書き換えてください。
依存性問題を解決する
kimchiに必要なパッケージの一つに
libvirt-bin
がありますが、Debian9ではパッケージが分割されて
libvirt-daemon-system libvirt-dev libvirt-clients
に分割されています。普通にインストールするとlibvirt-binの依存性が解決できないのでエラーとなりインストールできません。今回はパッケージの一部を書き換えてインストールできるようにします。
まず、作業用のディレクトリを作成します。
$ mkdir tmp $ cd tmp
次に、パッケージを展開します。
$ ar p ../kimchi-2.5.0-0.noarch.deb control.tar.gz | tar -xz
展開したファイルの中に
control.in control
があり、これが必要なパッケージを指定しています。この2つのファイルを適当なエディタで開き、
libvirt-bin,
を
libvirt-daemon-system, libvirt-dev, libvirt-clients,
に書き換えます。保存後、パッケージをまとめます。
cp ../kimchi-2.5.0-0.noarch.deb ../kimchi-2.5.0-0~4deb9.noarch.deb tar czf control.tar.gz *[!z] ar r ../kimchi-2.5.0-0~4deb9.noarch.deb control.tar.gz
以上でパッケージの書き換えは終了です。
パッケージのインストール
ようやくパッケージをインストールできるようになったので、導入していきます。
$ sudo apt-get install nginx-full $ sudo dpkg -i wok-2.5.0-0.noarch.deb $ sudo apt-get install -f $ sudo dpkg -i ginger-base.noarch.deb $ sudo apt-get install -f $ sudo dpkg -i kimchi-2.5.0-0~4deb9.noarch.deb $ sudo apt-get install -f
これでインストール自体は終了です。一応再起動しておきます。
$ sudo reboot
今回はここで終了です。次回は、UFWの設定とバグパッチの適用を行います。
参考文献
I got WOK & KIMCHI working on Debian 9 – Here’s how I did it